20歳から40歳までの人に聞いてみました。個人の思い出の本。
本が良かったってこともあるでしょうが、自分のために何回も読んでくれたことが、いい思い出や怖い記憶になっているのだと思います。それぞれの人生のストーリーがありました。なぜか、怖い本が多かったです。これから絵本を読んでもらう子どもたち、いったいどんな本が、心に残るのでしょう?
読者の思い出を集めて絵本を紹介してくれる本として、幸せの絵本」金柿秀幸著がお勧めです。
「ゆうびんやの くまさん」
20歳代後半の男性。この本に、ジンジャーエールという飲み物がでてきます。お母さんに読んでもらった時には、わからなかったそうです。大きくなって、コンビニで、ジンジャーエールを見つけたときに、郵便屋さんのくまさんに出てきたジンジャーエールが、これかとわかって、買って飲んでみたそうです。恐るべし、絵本の力。
あのころは、細々したことがいっぱい書いてある本だと思った。今読むと、意外と、そんなに情報量は多くないんだ。びっくり。子どもとっては、絵本って、情報量いっぱいいっぱいなんですね。
「カラスのパン屋さん」かこさとし 偕成社 1000円
20歳前半の女性。こどもの頃、お坊さんのお父さんが、胡坐をかいて、その上に、自分を抱えてくれて、この本を、読んでくれたそうです。大好きなこの本を、何回も何回も、せがんで読んでもらったそうです。おとなになって、絵本が並んでいるコーナーにきて、久しぶりにこの本を手にして、「その時のお父さんの膝の暖かさまで思い出した」と、言っていました。
「モチモチの木」 斎藤隆介作 滝平二郎 絵 岩崎書店 1400円
50歳前半の女性。こどもの時、お父さんに読んでもらった、この本。なんか とっても、怖かったことを、覚えているそうです。滝平二郎さんの切り絵の絵本と言えば、思い出される方も。美しく怖い絵本って、心に残るのでしょうか。大人になること、その階段を登る少年も気持ち、を美しい絵で、ご覧ください。
「おしいれの冒険」
20歳代後半の男性。幼稚園の頃読んでもらった あのおしいいれの怖い本。うろ覚えだけど、絵本といえば、なんかとても怖かった、「おしいれの本」と。「それは 『おしいれの冒険』でしょう?これじゃない?」と、この本をさしだすと、「そうそうこれ。あのころ、もっとすごく長い話と思ったけど、今読むと、すぐに読み終わる。本の名前は忘れてたけど、この怖さは忘れられない。怖かった!」絵本というより、児童書に入ります。幼稚園や保育園でみんなといる時に、読んでもらった方が、印象が強いと思います。個人で求めないでも、お子さんは、園で読んでもらえるかもしれません。