「あなはほるもの おっこちるとこ」という センダックの絵本がありますが、穴に落っこちない人はいないのでは、ないでしょうか。
ちゃんと若い時に、落っこちればいいのですが、おっこちないでそのまま中年になり、「中年クライシス(河合隼雄)」と名の「穴」に、おっこちゃうこともあります。
何をやっても、うまくいかない日、そんな日ってありませんか?
「ほら いしころがあったよ ね わすれようよ」 はいかがでしょう。
失意から、道をまた歩みだすための、絵本、ご紹介します
本の名前 |
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あな |
谷川俊太郎 和田誠 福音館書店 800円 |
サムとデイブ、あなをほる |
マック・バーネット ジョン・クラッセン なかがわちひろ訳 あすなろ書房 1500円 |
あなはほるもの おっこちるとこ | ルース・クラウス モーリス・センダック わたなべしげお 岩波書店 840円 |
絵本わらしべ長者 |
瀬田貞二 瀬川康男絵 岩波書店 |
たまのりひめ こどものとも年少版355号 |
牡丹靖佳 福音館書店 380円 |
でんでんむしのかなしみ |
新美南吉 かみやしん 大日本図書 1404円 |
いろろあってもあるきつづける |
田島征三 光村教育図書 1600円 |
みち |
堀文子 至光社 1677円 |
ひっぽのたび |
刀根里衣 NHK出版1600円 2014年 |
あそこへ |
マリー・ルイーズ・フィッツパトリック 加島祥造 訳 フルーベル館 1200円 |
おとなになること。
悲しみは、いつもいつも、やってくきます。自分が、悲しい時って、辛くて辛くて誰かに、気持ちを聞いて欲しくなります。もちろん、聞いてもらった方が楽になります。でも、いつも、いつまでたっても悲しみが、薄らいでいかない時。どうしようもなく、どうしていいか、わからなくなります。
いっぴきの でんでんむしが ありました。 ある ひ その でんでんむしは たいへんな ことに きが つきました。 「わたしは いままで うっかりして いたけど、 わたしの せなかのからのなかには かなしみが いっぱい つまって いるのでは ないか」 この かなしみは どう したら よいのでしょう。 で始まります。 |
自分に起こっていることを、「仕方ない。こうなったことは、仕方ない。よくそれでも、今まで頑張った。あんたは頑張ったよ。」と、「もう、しゃあない」とあきらめて、過去の自分を受け入れていけた時、ちょっと、おとなになれるのかも。
日本画家 堀文子さんによる絵本です。このみちは いつから そして どこへ ゆくのか。年配の方し描けない美しい絵。ここまで、なんとかたどり着いた道、後少しになった大人になっても、まだわからない先。ゆっくりご覧ください。
堀文子さんの絵、柳澤桂子さんの文で、「生きて死ぬ智慧」小学館1143円 という本もあります
牡丹靖佳 福音館書店 380円
「たまのりひめ」。この本、自分の狡さを暴露されたよう。でも、こういう、穴の脱出方法もある。そして、その狡さを、あなたはやってきたのよと、作家さんに暴かれたように、思いました。
黒川博之作の小説&映画「後妻業」を思い出し、はまってしまった1冊でした。
でも、はまったのは、私だけでないようです。
杉山実さんという方ののお嬢さんのお気に入りだったそうです。
(「あのとき、この本」こうの史代 平凡社 1200円 P.22から)
お嬢さんが2歳の時に、何度も「読んで」と言われたと、書いてありました。
韻をふんだ文章、響き、そして、この摩訶不思議な絵。2歳って、もう、すごいです。
感性は、おとな以上なんですね。本当に。
(感性が大人以上なのは、常識らしいですが、忘れてません?普段。相手が小さいからつい。)