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わにくん
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- ペーター・ニクル作 ビネッテ=シュレーダー絵 やがわすみこ訳
偕成社 1980年
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- 裏表紙から
- むかし、ナイル川かわの砂漠さばくに、みどり色いろのワニが一ぴき、ねそべっていた・・・・・。
- でもね、この絵本えほんにあるようなピラミッドやスフィンクスのあたりでは、わには、もう一ぴきも見みられません。いまからそう遠とおくないむかし、アスワンダムができてからこのかた、そうなったんです。
- 下流かりゅうにいた、たくさんのわにたちは、はたして、どこにいったのか。あなたの町まちのかばん屋やさんのウインドーにも、ひょっとして一ぴきぐらいまじって
- いるかもしれません。 矢川澄子
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- むかし
- ナイルの
- かわぎしの
- すなはらに、
- みどりいろの
- わにが
- 一ぴき
- ねそべっていた
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- そこへ
- ふたりの ごふじんが
- うかれきぶんで
- さんぽに やってきた。
- ここは
- ふるい ふるい
- スフィンクスの
- ひかげ
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- かたっぽの ごふじんが
- うっとり さけんだ。
- まあ すてき、
- わにの みせに
- つれていきたいこと!
- さぞや いろいろ
- やくに たつでしょう。
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- わにには
- おもわず
- みみを そばだて
- そして
- とたんに
- けっしんしたのだ。
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- よし、その
- わにの みせに
- いってみよう。
- ナイルを
- とおく はなれて
- はるばる
- たびを するんだ。
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- パリのそのお店に着いたワニくん
- びっくり!
- わにのためのお店と思っていたそのあこがれのお店はワニの皮を売っているお店だったのです。そこからが大変!
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- 訳者の矢川澄子さんの背表紙の言葉も合わせ読むと、深い内容の絵本です。
- この絵本は、スイスで最も美しい絵本に与えられる賞を1975年に受賞しています。
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