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2023年発刊の絵本から  

 

ぼくの とっても ふつうの おうち

  • コンスタンチン。ザテューポ作 藤原潤子訳  1800円+税 かけはし出版
  •   
  • 「ふつうの くらしを うばわれた なんみんの はなし」
  •  ぼくたちは ながい ながい たびを している。
  •  くるまに のって、でんしゃに のって、バスにのって、
  •  トラックにのって、ふねにも のった。
  •  
  •  そして たくさん あるいた。
  • あとがきから
  • 世界中でたくさんの人たちが、自分の家からほかの地域やほかの国、ほかの大陸に逃ています。このような人ひとたちを難民とよびます。
  •  略
  • 言葉も習慣も自分の国とはまったく違っていて、しかも知り合いがひとりもいない場所で新しい生活を始めるのはとても大変です。だからできるだけ助け合わないといけません。まずは身近にいる難民の子どもに「こんにちは!」とあしさつして、仲良くなりたいという気持ちをしめすだけでもいいのです。そうすればいつか、新しい家は彼らにとって本当の家に、慣れ親しんだ「とっても ふつうのおうち」になるでしょう。
  •                              コンスタンチン。ザテューポ
  • コンスタンチン。ザテューポ
  • 1978年モスクワ生まれ。モスクワ印刷美術大学で学んだ後に、ベルリンのヴァイセンセー美術大学で、ビジュアル・コミニケーションを学ぶ。ベルリンで絵本作家、イラストレーター、グラフィック・ノベル作家として活躍中。2019年からアート・プロジェクトの一環として、難民支援団体とコラボレーションを行っている。2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻開始後は、アートイベントや学校、路上で、家を追われた子どもたちと日常的に交流している。日本出の出版は初めて。

みんなのいえ

  • たしろちさと 1500円 文溪堂 2023年
  •  
  • ちいさな まちのはずれに
  • だれも すんでいない いえが ありました。
  • おとずれる ひとさえ なく、
  • みんなに わすれられた いえでした。
  •  
  • ところが、ふゆの あるひのことです。
  •  
  • ひとりの たびびとが
  • この わすれられた いえの とびらを あけました。
  • ふぶきのなかを さまよううちに、
  • このいえに たどりついたのです。
  •  
  • 旅人は家を直し始めました。春がきて、新しい旅人がこの家にやってきました。
  • 少し休んでいるうちに、一緒に暮らすことになりました。
  • そして働き始めました。やがて、多くの人がここで暮らすようになり、
  • 雨水を貯める装置を作り、小麦を引く風車も作りました。
  •  
  • 表紙のような楽しそうな家ができあがりつつあります。
  • たしろちさとさんのデビュー作が、単行本化されました。

戦いと平和のうずまき

  • 絵写真 スタシス・エイドリー・ヴィチュス  企画・文中川素子 エルくらぶ 1800円+税 2023年
  • スタシス・エイドリー・ヴィチュス の絵、1枚1枚に、
  • 中川素子さんが反戦の文をつけた、、、絵本。
  • 対象は、小学生でしょうか?
  • ちらかしさん と おかたしさん

    • 作 ふしみ みさを 絵 ポール・コックス 1400円 教育画劇 2023年
    •  
    • あるところに ちらかしさんと おかたしさんが いっしょに くらして いました。
    • あっ、ふたりが かえってきましたよ。
    •  
    • ふしみ みさを氏と言えば、絵本の世界で翻訳者としてあまりに有名。
    • 200冊以上翻訳されているそうです。
    • 一方、ポール・コックス氏はボローニャ・ラガッツィ賞最優秀賞受賞のフランス人アーティスト。
    • 絵本を愛して作ってきたベテラン二人が作ったこの絵本。
    • こどもに うけないはずはありません。
    • 帯から
    • あっちにポイ、こっちにポロリの ちらかしさん。
    • あっちにピカピカ、こっちにピシッ!の おかたしさん。
    • なかよしの ふたりの とびきりの ゆかいな ものがたり。
  • おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました

    • 渡辺朋 作 高畠那生 絵 童心社 1500円+税 
    •  
    • 帯から
    • おきにいりのしろいドレスにケチャップが!
    • 女の子のショックは、ママにパパに赤ちゃんに、ウェイターさんに、
    • パンにもビンにもコーンにも伝わって、町中みんなが大さわぎに!
    • 擬音だけでおはなしが進んでいく ナンセンス絵本!
    •  
    • (表紙の女の子がレストランでお食事中に)
    • あっ!
    • ぽとっ
    • ががががーん!
    • (するとママが)
    • げげげげーん!
    • (するとパパが)
    • ぞぞぞぞーん!
    • 第10回 絵本テキスト大賞 受賞作

ゆうぐれ

  • 平岡 瞳 小学館 1760円
  •  ISBN: 9784097252481
  • おひさまが ちかづいてきたので
  •  
  • そろそろ おうちに かえりましょう
  •  
  •  本の大きさが、わりに小さくて、
  •  本の紙の材質が柔らかく、
  •  表紙の家の窓部分が、なんと銀です。
  •  ほんわかとした夕方の時間が味わえます。
  •  イラストレーターの絵本です。
  •  
  • 出版社のお勧めは 中学生以上とありました。
  • 中の文章は全てひらがななのですが、確かに、中学生以上の人に向いているかもしれません。
  • 詩集のような、画集のような、やわらかい本です。
  • 1ページ1ページの絵が、優しいです。
  • この本を部屋に飾ると、そこが温かくなりそうです。
  •   
  • ゆうぐれと言えば 
  • この「ゆうぐれ」は、外せないでしょう。
  • まだ手に取っておられなければ、ぜひどうぞ。

なんてくさいんだ

  • コリーン・ペフ文 ナンシー・カンペーター絵 1980円 あかつき 2023年
  •  
  • 表紙裏から
  • 「くさくて くさくて たまらない!」
  • 1958年、夏、ロンドンのテムズ川はひどい匂いがを放っていましあ。このにおいは、なにから発生しているのでしょうか?
  • こたえは、うんち。
  • ロンドンを清潔で健康な都市にしたいと、土木技師 ジョゼフ・バザルジェット。テムズ川をきれいにするために新しい下水道システムを作りあげた年月を、いきいきと描き出した歴史絵本。
  • 2022年ロバート・F・サイバート知識の本賞オーナー受賞
  • 2022年ゴールデン・カイト賞受賞
  •  
  • 文字数も多く、対象は小学生からでしょうか。

トットちゃんの15つぶの大豆

  • 黒柳徹子 原案 柏葉幸子文 松本春野絵 1600円 2023年 講談社
  • トットちゃんと呼ばれていた黒柳徹子さんが15歳の時、戦争が始まってしまいました。
  • 戦争のつらさをすこしでも、次世代の子どもたちに伝えたいという思いの絵本です。

木にとまりたかった 木のはなし

  • 黒柳徹子 作 武井武雄  絵 1800円+税 2023年新装版 河出書房新社
  •  
  • 木が鳥さんの様に、いろんな場所に飛んで行って、
  • 木にとまりたかった、、、お話です。
  • 武井武雄さんと絵の巨匠が、黒柳徹子さんという、自由な発想の人のため絵を描きました。
  • といは言っても、武井武雄さんは、絵本となる前に亡くなってしまいました。
  • そのため、武井武雄さんのお嬢さんが、武井武雄の作品から絵を選び、絵本を作りあげました。
  •  
  • 今回の表紙では、木がひっくり返っています。
  •  
  • 黒柳徹子 作 武井武雄  絵  1985年 岩崎書店
  • 1985年の初版では、木が立っています。
  • どうして今回2023年の新装版の表紙では、木が逆さになったのか?
  • 逆さですと、災害の後のようで、なんとなく心がざわざわします。
  • 最初の岩崎書店の表紙の様に木が逆さでない方が、私は好きです。
  •  
  • 武井武雄さんの絵がお気に召された方は
  • おもちゃ箱 武井武雄 1600円+税 星雲社 1998年 や ラムラム王  をどうぞ

ノコギリザメのなみだ

  • 長新太 フレーベル館 1450円 1999年 2023年 新装版 第1刷
  • たいへんな ノコギリが ぼろぼろに なってしまった ノコギリザメの オジイサン。
  • そこへ 現れた うみの オバケが、 ノコギリを なおしてくれることに。
  • 「わしに まかせておけ」
  • といって、じゃぼじゃぼといって しまった。
  • 「トホホ」とオジイサンは なみだをながした。
  • なみだは、しずかに ながれていったよ。
  •  
  • しばらくすると、オバケが ふくろをさげて かえってきた。
  • 「これは とりましょう、とりましょう」
  • と、いって、ノコギリを ポイっと、とってしまった。
  • オジイサンは びっくりして
  • 「ひぇーっ」
  • と、なみだを ながした。
  • なみだは、しずかに ながれていった。
  •   
  • なやんでもずっと つらくてもずっと 自分でいたい。
  •  
  • ナンセンス絵本の神様、長新太 待望の復刊本です

ぼくには ひみつがあります

  • 羽仁進さく 堀内誠一え 主婦の友社 1600円 2023年 
  • 50年ぶりの復刊版です。
  • 主人はこの男の子。ぼくの秘密は、ムササビの世話をしていることです。
  • ムササビを飼っている事を、先生は察してしまいました。
  • そして、、、、。
  • 堀内誠一さんは、絵本の世界では、超有名人。
  • 「ぐるんぱのようちえん」「たろうのともだち」「パンのかけらとちいさなあくま」などの
  • 人気絵本があります。
  • 特に ぐるんぱのようちえん は、既に133刷以上の再版があります。
  • この「ぼくにはひみつがあります」も人気でしたが、購入できず残念に思う人が多かったようです。
  • 2023年 復刊されました。
  • ぐるんぱのようちえん
    西内ミナミ
    堀内誠一絵
    福音館書店800円
    1965年こどものとも
    1966年
    1998年新規
    2011年133刷
    4歳から
     たろうのともだち
    村山佳子
    堀内誠一 え
    福音館書店 800円
    1967年月刊こどものとも
    1977年1刷
    2015年37刷
    3才から
     パンのかけらとちいさなあくま
    リトアニア民話
    内田莉莎子 作
    堀内誠一 絵
    福音館書店1992年
    990円

    4歳から

ぼくのともだちは、あたまに はながさいている

  • ジャーヴィス作 まきもりれい訳 岩崎書店 1600円 2023年 
  • カバー裏から
  • ぼくのともだち、ディビッドは
  • あたまに きれいな 花が
  • さいている。
  • デイビッドは、ふんわりしてて
  • やさしい。
  • あたまのはなびらみたいに。
  •  
  • ぼくたちは、いつも いっしょに
  • あそぶんだ、
  •  
  • そんな あるひのことー
  •  
  • 個性が強い子って、いますよね。
  • そういう時、その子らしさをそのまま受け止めることは、大人の方が難しい。
  • この本は、きっと何刷も再版される絵本になると思います。
  • 哲学的な、人生訓的な、温かい素敵な絵本だと思います。
  •  
  • サンデータイムズ紙 
  • 「多様な色とコラージュを用いて、巧みに、易しく簡単に描かれた‶優しさ"の本」
  • スコッツマン紙
  • 「シンプルに見えて難しい、難しく見えてシンプルなこの話は、琴線にふれ、読む人をあたたかさで満たす」
  • せんそうがおわるまで、あと2分

    •  
    • ジャック・ゴールドスティン 作 長友恵子 訳 合同出版 1800円 2023年
    •   発行日: 2023年04月14日 ISBN: 9784772615280 215mm×185mm 58ページ
    •  
    • 小学生から
  • 心をひらいて、音をかんじて

    •  
    • シャノン・ストッカー文 デヴォン・ホルズワース絵 中野怜奈訳 1600円 2023年
    •  
    •  あとがき
    • 読者のみなさんへから エヴァリン・グレニーより
    •  
    •  私は耳が不自由ですが、耳をつかわなくても、音を聞くことはできます。音のふるえを体全体で感じるやり方を知っているからです。風船を手にもって、かん高い声をだしてみてください。風船がちがうふるえ方をしたのがわかりましたか。わたしの場合、高い音と低い音を聞いた時では、体のちがう部分画ふるえます。わたしたちはそれぞれちがうやり方で、音やリズムを感じる事ができるのです。
    •  最後にひとつ、とっておきの秘密を教えましょう。すべては聞くことからはじまります。自分の心の声を聞き、想像をえぐらせて自分を信じるなら、なんだってできます。わたしは、聴力を失っても、自分の心の声にしたがい、音楽の道をひらいてきました。あなたがわたしも物語から力を得て、自分の道をひらく勇気がもてますように。
    •  どこでなにをしているときにも、あなたの心の声を聞くことを、どうかわすれないでくださいね。
    • ねむい ねむい

      •  
      • 西村敏雄 小学館 2023年 1200円
    •  2023年新しく ねんねの本が出ました。
    •  きっと人気の絵本になると思います。
    •  
    • よるになりました。
    • ふとんに はいって ねむりましょう。
    •  
    • ひつじが 1ぴき ねむいねむい
    • うさぎが 2ひき ねむいねむい
    •  
    • 2-3才から 西村敏雄さんの絵本といえば
    • などがあります。
    • 羊は、まさに西村敏雄さんの羊です。

    ぼくの こころが うたいだす

    •  
    • アンドレア・バイティー 作 デヴィット・ロバーツ絵 かとうりつこ訳
    • 絵本塾出版 1600円 2023年
    •  
    •  小学生の主人公アーロンには、文字を読むことがとてもむずかしいことでした。
    •  書字障がい と言われる、書かれた文字を読むことがむずかしいアーロンが、「作文」というかたちができなくても、彼なりの方法で「ものがたり」を作って、人に伝える事ができるとわかった時、彼の心がうたいだしたのです。

    大ピンチずかん2

    •  
    • 鈴木のりたけ 小学館 2023年 1500円
    • 大人気の大ピンチずかんの続きです。
    • 作家のお子さんが、日常生活実際に困っている様子から 生まれた絵本です。
    •  
    • なんてくさいんだ!

      コリーン・ペフ文 ナンシー・カーペンター絵 金原瑞人 訳 1980円 あかつき 評論社 2023年
    • ロンドンを救った ジョゼフの物語
    • うんちだらけのテムズ川とコレラの大流行から市民を救ったジョゼフ・バザルジェット
    • ノンフィクション絵本です。

    ぼく、いいたいことが あるの

    ジャン・フランソワ・セネシャル 文 岡田千晶 絵 小川仁央 やく 1760円 評論社 2023年


    出版社からの内容紹介

    しんじられない。おばあちゃんにもう会えないなんて。ふたりで行ったところ、いっしょに作ったもの、思い出がこんなにいっぱいあるのに……。流れる川のようにすぎていく時間のなかで、やっと言えた「さようなら」。大切な人とわかれる気持ちを、キツネの男の子に託して、あたたかく、包みこむように描きます。自分自身も「おばあちゃんに伝えたいことがあった」というカナダの作家の文章を、人気画家の岡田千晶さんが、かぎりなく愛らしいイラストで飾りました。静かな感動をよぶ作品。

  • はるさんと 100本のさくら

    • ただのぶこ 2023年 1500円 中央公論新社 
     かっては賑やかだった村に過疎が進みました。
  •  残っていたおばあちゃんが10人。
  •  集まって、この村のために、できること、したいことを考えました。
  •  そうだ、桜の木を植えよう。
  •  ひとり100本、少しづつ少しづつ、でも、1000本の桜を植えました。
  •  そして、おばあちゃんたちは、寿命を迎えて人生を終えていきましたが、
  •  植えられた1000本の桜が、村に新しい世界を作りました。
  •  と、いうお話です。
  •  対象は、年長さん小学生でしょうか。
  •  2023年の書店員が選ぶ絵本新人賞 受賞作です。

ママたちが言った


アリシア・D・ウィリアムズ文
ブリアナ・ムコディリ・ウチェンドゥ絵
落合恵子訳
クレヨンハウス
2023年
2200円+税

表紙裏から
アメリカ合衆国で「黒人」と呼ばれたり、褐色の肌に生まれた子どもが、子ども時代のある時に学ばなければならない幾つもの厳しい約束のようなもの。この絵本は、それをテーマにしています。「ジャケットのフードをかぶっちゃいけない」「群れて遊んではいけない」「ポケットに手をいれてはいけない」・・・・・。ごくごく幼い無垢の季節を少しだけ卒業した子どもたちは、こうして幾つものルールを教えられ、身につけて行くのです。もしジェイが自分だったら・・・・。ジェイとこれらのルールを「トーク」しなければならないママたちもまた、先代のママたちから教わってきたのです。生きのびるために、死なないために。

コレッタ。スコット、キング賞受賞
2023年オナー賞受賞

作家のアリシア・D・ウィリアムズさんから日本の読者へのメッセージ

壁を作る必要はないはず

 私たちはお互いの「違い」にフォーカスしがちです。しかも、ネガティブなレンズで、その違いを強調してしまう。それが人間の習性なのかもしれませんが・「彼らVSわたしたち」という壁をつくりがちです。たとえば、アフリカ系の少年で、あなたとは違って見えるかもしれません。
絵本の中で、ジェイとその友人たちを見ているひとがいることに気づくでしょう。ひとびとは彼らを不審に思っています。彼らにとって、ジェイとその友人たちは、トラブルメーカーに見え、「あの子たちは何を企んでいるのかわからない」と思っているかもしれません。実際には、ジェイはお手伝いお手伝いをしておこづかいをもらい、音楽とダンスとスケートボートが好きな少年です。そして、彼と友人たちは。自分たちらしく人生をたのしみたいだけなんです。でも他人は、ジェイたちのたのしみや好奇心、冒険心を知らないのです。
 わたしたちはお互いに壁を必要はないはずです。みんなで「違い」を認め合い、お互いから学び、それぞれの個性を祝福してみませんか。共通点を発見して欲しいですね。
大人は子どもたち、「自分がされたいよう、ひとに接しなさい」「ひとの立場になって考えなさい」「親切にしなさい」とおしえますよね。共感はやさしさの表現です。これらは、よりしあわせに生きるための基本だと思います。


個人的なことですが。
30歳頃、短い期間ででしたがボストンで暮らした事がありました。昼間あまり人が歩いていない時間帯でした。私は地下鉄に乗ろうと、ボストンの割と広い歩道を歩いていました。少し後ろを、「褐色の肌」の20歳台くらいの背の高い頑丈そうな男の人が歩いて来ました。怖くて背部に意識を集中しました。地下鉄の入り口へのドアが近くなった時、彼が急に走ってくる気配がしました。思わず、鞄をしっかりと抱え、身構えました。
 彼は私を追い越し、地下鉄のドアまで走り、私の少し前を歩いていたベビーカーを押した母親のために、すばやくドアを開け、その母親とベビーカーの中の赤ちゃんのためドアを開けたまま押さえて、エスコートしたのです。
そう、私の前に、ベビーカーを押したふくよかな母親が、地下鉄の入り口のドアに、さしかかろうとしていたのです。
 彼は、とても自然に。ごく当たり前に、彼女をサポートしました。
 彼女は、ごく普通に、笑顔で サンキュー。
 彼も、軽く横に顔を振り、なんでもないよって感じで。
私は自分を恥じました。
彼を怖がった自分に。
彼を怖れ、身構えてしまって
前方のベビーカーの親子のために、
急いで行ってドアを開けようと考えなかった自分に。
163cm、53㎏の私は、見知らぬ大きな「褐色の肌」の青年が、怖かったのです。
無意識の「差別」、、、。
この絵本を読んで、30年も前のその時の自分を、思い出しました。

ぎょうざが いなくなり さがしています

  • 玉田 美知子 講談社 1500円 2023年 2024年4刷
  • 「こちらは おおばまちです。
  • おおばけいさつしょからの おしらせです」
  • 「ほんじつ ごご2じごろ おおばまち にらやまの
  • ぎょうざが いなくなり
  • さがしています。
  • とくちょうは ひだが 5つある
  • ひとくちサイズの やきぎょうざです。
  • 繰り返します・・・・・・」
  • という町内放送で始まるこの絵本。
  • 対象は年中さんから 小学校低学年でしょうか。

    ぼくの サビンカ

    • ラデック・マリー 文 出久根育 絵・訳 ブロンズ新社 1400円 2023年
    •  
    • はじめまして
    • このこは サンビカ。
    • ちいさな こねこじゃないけど おとなのねこでもない。
    • あかちゃんねこでも ないんだよ。
    • ぼくの ねこ。ぼくの サビンカ。
    •  
    • 少年とねこのいとおしい時間
    • 「きみは だれと いっしょにいるのが すき?」

もくじ


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20240713