別れをテーマにしたものは、絵本でが主人公が動物の形が多いです。
いのちの木
フリッタ・テッケントラップ作絵
森山 京 訳 ポプラ社1400円
2013年 2014年2刷
ラブリー・オールドライオン
ジュリア・ジャーマン スーザン・バーレイえ
こだまともこ訳 フレーベル館 1400円 2015年
あの夏
ガブリエル・バルサン 作 もり ひさし 1995年 2006年4刷
この表紙のくまさんが、ぼく、名前はアーネスト。ねずみさんが、セレスティーヌです。
ーぼくと セレスティーヌは、ふたりにとって たいせつな ひとを なくしたのです。
ーそれは、たいへんやさしいひとで、セレスティーヌは とてもかわいがられ、ぼくも したしくしていました。
ぼくは いま、これまでのことを かきとめようとしています。そのはなしを、ぜひきいてください。
ーカズー、これが そのひとの なまえでした。
と、始まります。
「大人の絵本」のコーナーでも、ご紹介しました。
お話は、ひらがなで書いてあります。
ページ数が多いですが、読んであげたら、小さな子にも、伝わると思います。
大切な人を失ったこどものセレスティーヌ。そのこどもの気持ちに寄り添うアーネスト。
表紙の絵のように、全部茶色のモノトーンで描かれていて、優しい感じ絵本です。
たびだちのとき
エリック・パテュ作絵 木坂 涼 訳
フレーベル館 1200円 2004年
いつか 空のうえで
アンドレア・ペトルリック・フセイヴィッチ作絵 まえざわあきえ訳 小学館1500円 2009年
おかあさんを亡くして、10歳の女の子は。心の壁を作りました。
だれが やさしく声をかけても、もう、女の子にはきこえません。
かべはどんどん高くなり、やがて、とうのようになって、
だれも、女の子にには、とどかなくなりました。
女の子は、じぶんだけに世界に、すむようになったのです。
作者アンドリアは、10歳のときに、父と母と一度に亡くました。
同じ環境の子どもを応援しようと、絵本を描きました。
だいじょうぶだよ、ゾウさん
ローレンス・ブルギニョン作 ヴァレリー・ダール絵 柳田邦男訳 2005年 文溪堂
おさないネズミと年老
としおいたゾウが
おおきな木
きのしたで、なかよくくらしていました。
ゾウは幼いネズミをまもってあげたり、知らないところへ連れて行ってあげたり。
季節が何度もめぐり過ぎて、ネズミは成長し散歩の案内をするのも夕食の果物を取って来るのも、
ネズミの役目になりました。ゾウは次第に歳をとり、亡くなったお父さんやお母さんのいるゾウの森に
行かないといけない事を知っていました。
ぞのゾウの森へ行くことに、不安を感じるゾウさん。
まだ行って欲しくないネズミくん。
でも、時は過ぎて、やがてその時が近づいてきます。
特別な森への旅立ちが不安なゾウを、別れが寂しいので行かないでと思っていたネズミが、応援します。
止められない老いによる死、そしてその別れをテーマにした絵本です。
どんなことにもひるまないで生き、
とりわけあの世への旅だちをおそれなかった母へ
ーローレンス・ブルギニョンー
おねえちゃんに あった夜よる
シェフ・アールツ文 マリット。テルンヴィスト絵 長山さき 訳
徳間書房 1700円 2015年
背表紙から
ぼくの家いえのかべには、
おねえちゃんの写真しゃしんがかざってある。
ぼくの写真しゃしんみたいにカラーでなくて、
灰色はいいろになっている。
おねえちゃんは、
ぼくが生うまれる前に死しんでしまったから。
でもある日、ぼくはおねえちゃんの声こえをきいた。
「今夜こんや、自転車じてんしゃにのって、
いっしょにでかけようよ」
そしてその夜よる、ほんとうに、
おねえちゃんがあらわれて、、、、?
「死」というテーマを、
子どもに向けてまっすぐにさしだし、
深い印象を残す絵本。
大きな大きな船
長谷川集平 2009年 ポプラ社 1200年
おかあさんを亡くした男の子とおとうさんの会話、、、。
お互いを思いあいながらの、会話。
長谷川集平氏の絵本は、哲学書みたいです。
おとうさんのこわいはなし
かとうまふみ 岩波書店 2019年 1400円
うちのおとうさん、こわい。かおが、こわい。こえが、こわい。いつもふきげんで、こわい。
作者が子どもの頃、お父さんは怖い話をしてよくくれました。
大人になり、母になり、怖い話が今の自分の一部を作っていると思い、絵本ができました。
おじいちゃん わすれないよ
おじいちゃんは、孫には大好きな人ですが、逝ってしまいます。
おじいちゃんの絵本、別れの絵本も多いです。
特にお勧めは、「おじいちゃん わすれないよ」です。
ベッテ・ウェステラ 野坂悦子訳 ハルメン・ファン・ストラーテン絵
金の星社 1300円 2002年初版 2012年12刷
ハルメン・ファン・ストラーテンの絵が、静かな「別れの受け入れ」を描いてくれています。
ぼく、いいたいことが あるの
ジャン・フランソワ・セネシャル 文 岡田千晶 絵 小川仁央 やく 1760円 評論社 2023年
出版社からの内容紹介
しんじられない。おばあちゃんにもう会えないなんて。ふたりで行ったところ、いっしょに作ったもの、思い出がこんなにいっぱいあるのに……。流れる川のようにすぎていく時間のなかで、やっと言えた「さようなら」。大切な人とわかれる気持ちを、キツネの男の子に託して、あたたかく、包みこむように描きます。自分自身も「おばあちゃんに伝えたいことがあった」というカナダの作家の文章を、人気画家の岡田千晶さんが、かぎりなく愛らしいイラストで飾りました。静かな感動をよぶ作品。
ジャン・フランソワ・セネシャルさんから、岡田千晶さんに絵の依頼があり、実現した絵本です。
流石、出版社。上記以上の説明文が、書けないので、そのまま転記させていただきます。
おじいちゃんとのお別れ絵本は多いですが、おばあちゃんとのお別れ絵本は、少ないように思います。
おばあちゃんとの別れには
- おばあちゃんのおくりもの
- キャリー・ガラッシュ文 サラ・アクトン絵 菊田まりこ訳 WAVE出版 1400円 2018年
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パパとわたし
マリア・ウエレニケ作 宇野和美訳 光村教育図書 1200円 2012年
もういないけど パパに
よくいっしょにいる アナとフアンに
ときどきね
パパと いっしょに いたくなる
だけど パパは
わたしと いたくない ときもある
ときどきね
パパは わたしと いたくなる
だけど わたしは
パパと いたくない ときもある
ときどきね
ぱぱも わたしも いっしょに いたくなる
絵は全ては、表紙のようにモノトーンで、静かな絵本です。
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